
【Blazor】 属性スプラッティングの使い方
この記事では属性スプラッティングについて解説します。
属性スプラッティングは、複数の属性(class,styleなど)を一度にコンポーネントに適用することができる便利な機能です。 これを利用すると、コードの無駄が無くなり、コードの再利用性を高めることができます。
- 基本的な使用方法
- 非文字列型の属性値
- 注意点
- 属性スプラッティングを使ったコンポーネント
- まとめ
目次
基本的な使用方法

早速ですが、属性スプラッティングを使用して、ボタンの属性を一括設定してみます。
@* ボタンに属性スプラッティングを使用する例 *@ @page "/attributebutton" <button @attributes="buttonAttributes">属性スプラッティング</button> @code { private IDictionary<string, object> buttonAttributes; protected override void OnInitialized() { // 属性スプラッティングを使用してボタンのスタイルを設定 buttonAttributes = new Dictionary<string, object> { { "class", "btn btn-primary" }, { "style", "font-size: 16px; font-weight: bold;" }, { "onclick", EventCallback.Factory.Create(this, OnButtonClick) } }; } private void OnButtonClick() { // ボタンがクリックされたときの処理 // ここに適当な処理を記述 Console.WriteLine("ボタンがクリックされた!"); } }
button要素に@attributesを使用して、属性スプラッティングを行っています。 @attributesに渡す値は、IDictionary<string, object>型である必要があります。
buttonAttributesは、ボタンの属性と値のペアを格納しています。 このbuttonAttributesを渡すことで、class属性やstyle属性、onclick属性をまとめて設定することができます。
それでは実行してみましょう。 ボタンに属性が適用され、ボタンの見た目が変わっていることがわかります。

非文字列型の属性値

属性スプラッティングでは、非文字列型の属性値も扱うことができるようになっています。 例えば、disabled属性を動的に設定することが可能です。
@code { private Dictionary<string, object> buttonAttributes = new Dictionary<string, object> { { "class", "btn btn-primary" }, { "disabled", true } }; } <button @attributes="buttonAttributes">I am disabled</button>
注意点

属性スプラッティングで適用される属性は、明示的に定義された属性よりも優先度が低いです。
<button class="btn btn-primary" @attributes="buttonAttributes">属性スプラッティング</button> @code { private Dictionary<string, object> buttonAttributes = new Dictionary<string, object> { { "class", "btn btn-secondary" } }; }
上の例では、buttonに明示的にbtn btn-primaryというclassが設定されているため、 buttonAttributesのbtn btn-secondaryは無視されてしまいます。
属性スプラッティングは便利ですが、こういった罠もあるので、気を付けましょう。
属性スプラッティングを使ったコンポーネント

属性スプラッティングを使ったコンポーネントを作成することもできます。
@* 属性スプラッティングを使用したコンポーネント *@ <input placeholder="@PlaceHolder" @attributes=InputAttributes /> @code { [Parameter] public string? PlaceHolder{ get; set; } /// <summary> /// 属性スプラッティングで受け取るパラメータ /// </summary> [Parameter(CaptureUnmatchedValues = true)] public Dictionary<string, object>? InputAttributes { get; set; } }
通常のパラメータ通り、Parameter属性を付与しますが、注意点が2つあります。
- Dictionary<string,object>の型にする
- [Parameter]にCaptureUnmatchedValues = trueを指定する
作成したコンポーネントをページ内での使用例を見ていきましょう。 以下は実際にコンポーネントを使用したコードになります。
@* 属性スプラッティングのコンポーネントを使用したページ *@ @page "/attributecomponent" <Blazor_AttributeSplatting.Components.AttributeSplattingComponent InputAttributes="Attributes" PlaceHolder="何か入力してください。" /> @code { private Dictionary<string, object> Attributes { get; set; } = new() { { "type","password" } }; }
このページでは、コンポーネントの入力タイプをpasswordへ変更してみます。 使い方は、ボタンの例と同様に、Dictionary<string,object>の型でパラメータを渡すだけです。
それでは実行してみます。

入力部分がパスワードになっていることが確認できます。
まとめ

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